車を当て逃げされた後で気づいた場合はどうする? 対処方法や修理の費用相場を解説

車に身に覚えのない傷やへこみを見つけたときは、誰かに当て逃げされた可能性があります。時間がたって後から気づいた際は、どのような対応を取るべきか悩む方もいるのではないでしょうか。

この記事では車を当て逃げされたことに後で気づいたときの対処方法や、修理方法を解説します。付いてしまった傷やへこみが「当て逃げによるものかも?」と気になった際は、ぜひ記事の内容を参考にして、対応方法を検討してください。

当て逃げとは? 基礎知識を解説

当て逃げとは一般的にどのような行為を指すのでしょうか。当て逃げの定義から発生しやすい場所まで、知っておきたい基本的な知識を解説します。

当て逃げに該当するのか判断に困った際や、今後の被害を避けるために参考にしてください。

当て逃げとは?

当て逃げとは、車を運転しているときに他の車や物に接触したにもかかわらず、適切な対応を取らず、現場から立ち去ることです。

事故を起こした運転手は「警察への報告」や「危険防止措置」が義務付けられており、報告や措置を行わずに立ち去った場合は、当て逃げだとみなされます。

ただし当て逃げに該当するのは、物損事故のみです。物損事故とは、第三者の車や車の積荷、道路設備や電柱の他、建物など物だけが破損して、死傷者はいない交通事故のことを指します。

なお死傷者が発生するような人身事故で、適切な対応を何もせずに立ち去ることは「ひき逃げ」とされます。

当て逃げ・ひき逃げともに、法的に定められている義務を怠ると違反行為とみなされ、刑事罰の対象となります。

当て逃げが発生しやすい場所とは?

当て逃げは主にどのような場所で発生するのでしょうか。ここでは当て逃げが発生しやすい場所や、その理由を解説します。

駐車場

当て逃げは、駐車場でよく発生するといわれています。

ショッピングモールやスーパー、高速道路のパーキング、ファミリーレストラン、コンビニなど各種施設の駐車場は、頻繁に車が行き交う上に、限られた狭い範囲で運転する技術が必要です。そのため主にドアパンチやバック駐車時の接触など、比較的小さな事故が起きやすいです。

ドライバーが車から離れる時間が長いので、他の車に傷などを付けてしまっても「気づかれないのではないか」「誰にも見られていないからバレないのではないか」と感じ、当て逃げをしてしまう方もいるようです。

路肩や路地

路肩や路地も、比較的当て逃げが発生しやすい場所です。

道路の路肩や細い路地に一時停車・駐車していると、走行中の車と距離が近くなります。そのため横を通り抜ける車が停車している車に接触しやすく、車同士がこすれることがあります。

大きな傷やへこみを付けてしまった場合は警察へ報告し、危険防止措置を取ろうと考えるでしょう。しかしこすれたかどうか分からないような小さな規模の傷やへこみであれば、相手方の運転手が車に乗っていても、そのままその場を去ってしまうケースがあるようです。

当て逃げによる車傷の特徴

車に身に覚えのない傷が付いていても、当て逃げによる傷なのかは判断が難しいこともあります。

当て逃げによる傷は、バンパーやドアなどのボディ部分に付くのが一般的です。

ここでは当て逃げされた際に付く主な傷の特徴を紹介するので、当て逃げかどうかの判断に困った際に、確認してみてください。

ドアパンチの傷

「ドアパンチ」とは、駐車場などに停車している際に、開けたドアを隣の車にぶつけることです。混み合っている駐車場や、風が強い日の駐車場などで発生しやすいとされています。

ドアパンチの被害に遭うと、相手の車のドアエッジの痕が付きます。縦に長い線傷やこすり傷は、ドアパンチによってできた傷かもしれません。ただしドアのぶつかり方や勢いなどによって、傷の付き具合は変わります。

ドアパンチによってできた傷は細くて目立ちにくいため、当て逃げされたことに後で気が付くケースがあるといわれています。加害者側もぶつけたことに気が付かないケースや、気が付いたとしても「このくらいの傷なら大丈夫だろう」と立ち去ってしまうこともあるため、注意が必要です。

衝突痕に塗料が付着

身に覚えのない衝突痕(ボディのへこみ)に自分の車の色とは異なる塗料が付着していたら、当て逃げされているかもしれないと考えて良いでしょう。

また駐車場内で停車中に、バックで駐車しようとする車に追突される「逆突事故」も、よくある事故の一つです。停車中に前方・後方から追突された場合、車のバンパーやミラーに傷やへこみができるため、当てられたことが分かりやすいです。

相手が徐行していたとしても、走行中の車がぶつかったときの衝撃は大きく、傷やへこみも目立ちやすいという特徴があります。目立つ衝突痕があるなら相手の車の塗料が付いている可能性があるので、自分の車以外の塗料が付いているかよく確認しましょう。

当て逃げに遭った際の基本対応や行動

「当て逃げされたかも」と思っても、どのような行動を取るべきか分からない方もいるでしょう。

傷の大きさや程度に関わらず、当て逃げに遭った際に必要な対応や行動を解説します。

警察に連絡

当て逃げに遭ったら、まずは警察へ連絡をしてください。車同士の接触は交通事故とみなされるため、警察への連絡が必要です。道路交通法第72条によると、交通事故が発生したときに警察へ報告しなければ、報告義務違反に当たります。

特に目撃者がいる際は、重要な証言を得るためにも、できるだけ早く通報してください。当て逃げされたことに後から気づいた際は、目撃者からの証言は得にくくなりますが、それでもできるだけ早く警察へ連絡をしてください。

また保険会社へ保険金を請求する際に必要となる「交通事故証明書」は、警察へ届け出さなければ発行されません。警察に報告をしていないと、保険での補償を受けられずに実費での修理となるため、注意が必要です。

※参考:法務省.「道路交通法第72条」.https://www.moj.go.jp/content/000102725.pdf ,(参照 2024-05-21).

保険会社に連絡

当て逃げが要因でできた傷の修理費用は、加害者が加入している任意保険(車両保険)の保険会社に請求できます。加害者が特定できないケースでは、損害賠償を加害者側に請求できません。

加害者が不明な場合は、自分が契約している保険が適用できるかどうかを確認し、保険会社への連絡を行いましょう。契約内容によっては、被害者が加入している車両保険の補償対象に、当て逃げの損害が含まれていることがあります。

ただし自分の保険を使って修理することで等級がダウンし、翌年からの保険料が高くなるデメリットが発生する可能性もあります。傷の度合いによっては、保険を利用せず自己負担した方が安く済むこともあるので、修理費用の見積もりを取った上で慎重に検討しましょう。

また加害者が特定できたとしても、当事者同士で直接話し合うとトラブルが発生する恐れがあるため、交渉は保険会社に任せるのがおすすめです。

ドライブレコーダーや防犯カメラを確認

当て逃げの加害者を特定するには、車種やナンバーなどの証拠を探して残しておくことが大切です。

ドライブレコーダーを設置しているなら、速やかに映像を確認してください。常時録画になっているドライブレコーダーは、映像が上書きされてしまうことがあります。事故当時の映像は早めに確認し、バックアップを取るかスマートフォンで録画しておくと良いです。

また事故に遭った場所が分かっているなら、付近の防犯カメラの管理者に連絡をし、映像を確認させてもらいましょう。

当て逃げによる車傷の修理方法と費用相場

車に付いた傷は、放置してしまうと状態が悪化する可能性があります。そのため傷の存在に気が付いたら、できるだけ早く修理することが重要です。

ここでは当て逃げによる修理費用の相場や、代表的な修理方法を解説します。

修理費用の相場

ここではボディやバンパー、サイドミラーのこすり傷・へこみの修理にかかる費用の相場を紹介します。

ただし当て逃げによる傷の修理費用は、修理を依頼するディーラーやカーショップ、板金業者などの業者や傷の箇所・程度によって異なります。

なお当て逃げされた際に加害者側に賠償請求できるのは、基本的には車の修理にかかった費用だけです。修理に必要な金額を請求するために、修理業者に相談の上、見積もりをもらっておきましょう。

ボディの傷・へこみ

ドアパンチでできた線傷であれば表面を研磨し、塗装するだけで修理できるケースもあります。その場合、修理費用の相場は数千円~3万円程度と比較的安価です。

しかし大きなへこみができた際は、形状を元通りにするために板金作業が必要になり、ドアを外すという工程も加わります。へこみの程度がひどいケースにかかる修理費用の相場は3~10万円程度だと考えておくと良いでしょう。

バンパーの傷・へこみ

バンパーは樹脂でできているものが多く、へこんでしまった際は、板金修理では難しいパーツです。程度によってはバンパーの交換が必要になります。

ただしバンパーにこすり傷ができたときは、軽い傷であればコンパウンドで磨く程度で済むケースもあります。

バンパーの傷とへこみの修理費用の相場は数千円~5万円程度と覚えておくと良いです。

サイドミラーの傷・損傷

サイドミラーには、ボタンによって開け閉めをするためのモーターが付いているものがあります。モーターを覆うカバーのみの浅い傷であれば数千円程度で修理が可能です。

しかし傷や損傷がひどく、モーターやカバーなど全ての部品を交換することになれば、費用は高額になる可能性もあります。そのためサイドミラーに傷や損傷が起きたケースの修理費用の相場は、数千円~3万円程度です。

セルフ修理

車の塗装の中で最も表面にあるクリア層や、その下の塗装面でもごく浅い部分の小さい傷なら、コンパウンドなどを使用してセルフ修理できるケースもあります。目安として爪で傷を撫でても引っかかりを感じない程度であれば、自分でもきれいに直せる可能性があります。

下地面や樹脂面にまで及んだ深い傷や大きなへこみは、セルフ修理をするのが難しいでしょう。場合によっては、傷やへこみの状態が悪化してしまうこともあるので、プロに任せるのがおすすめです。

また修理をせずに放置していると、傷がある塗装部分から酸化したり、錆びたりなどダメージが広がります。ボディのダメージが大きくなりパーツ交換や作業工数が増えてしまうと、修理費用がさらに高額になることもあります。そのため傷ができてしまったら、放置せずに迅速に対応するのがおすすめです。

まとめ

当て逃げによってできた傷は、放置せず早めに修理することが重要です。当て逃げによる車の損傷は傷やへこみの程度が大きいと、セルフ修理が難しいケースもあるので、まずは業者に見積もりを取りましょう。

東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県に工場を持つ池内自動車では、リーズナブルな価格で修理を行っています。例えば20cm以内のバンパーのこすり傷修理なら3,300円~(税込)と、セルフ修理よりも早く安く解決できる可能性があります。

土日祝日も夜8時まで営業し、さまざまなお客さまにご利用いただきやすい環境を整えています。

当て逃げされた可能性があり、車に傷やへこみが付いている際は、ぜひ気軽にご相談ください。

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